以前 書いた記事 のなかに、「MAXは最高速240km/h、他の新幹線は260~最高320km/h」と自分で書いたのですが・・・?? 新幹線の最高速って決まってないんか?2階建てのMAXが遅いのは分かるとして、他の新幹線は260~320km/hとは何で60km/hもの差があるのでしょうか? 車両性能の違い?線路の違い?住宅密集地を走る路線は遅い?・・・。
何となく知ってたつもりで、実は知らなかったので調べてみました。
スポンサーリンク
そもそも新幹線とは
『全国新幹線鉄道整備法(1970年制定)』で、「その主たる区間を列車が200キロメートル毎時(以降km/hと記す)以上の高速度で走行できる幹線鉄道」(第2条)と定義しています。ですので山形、秋田新幹線は130km/h走行する区間においては新幹線ではなく、在来線となります。
※東海道(開業済)新幹線・山陽(建設中)新幹線にとっては後から制定された法律。
では何故、路線によって最高速度が違うかというと
大まかに言えば、「整備新幹線かそうではない新幹線か」の違いとなります。
●整備新幹線
前記の『全国新幹線鉄道整備法:1970年(昭和45年)制定』に基づいて、日本政府が1973年(昭和48年)に整備計画を決定した新幹線の事を言います。即ち以下の路線が該当します。
・北海道新幹線
・東北新幹線 (盛岡市から青森市まで)
・北陸新幹線
・九州新幹線 (鹿児島ルート)
・九州新幹線 (長崎ルート)
●そうではない新幹線
上記5路線以前に計画されていた新幹線。以下が該当します。
・東海道新幹線
・山陽新幹線
・東北新幹線の東京駅 - 盛岡駅間
・上越新幹線
・成田新幹線(計画失効)
スポンサーリンク
それでですね、整備新幹線はこの『全国新幹線鉄道整備法』にて、最高速度が260km/hって決められているのです。それ以前に計画されていた新幹線(上記、●そうではない新幹線)については規定が無いのです!? だから ●そうではない新幹線 の最高速度はバラバラです。
よって、なんと新しく建設された路線の方が速度が遅い! のです。。
東北新幹線を例に出すと東京から行った場合、宇都宮-盛岡間は320km/hで走行し、盛岡を過ぎると260km/hにスピードダウンしてしまうのです。盛岡以北の方が線路・設備が新しいのにも関わらずです。なんておかしなことに??
(盛岡以北はカーブがきつくなるので320km/hは無理かもしれませんが、それでも60km/hもダウンするとは・・)
整備新幹線が計画された頃の新幹線の最高速は210km/h。将来のスピードアップを考えても260km/hあれば十分と思ったのではないでしょうか?
では法律を変えてしまえば良いではないか?となりますが、法律の改正には
・周辺の環境アセスメント再実施が必要
・本当に260km/h以上の速度で走行しても問題ないか?再調査が必要
などなど、大掛かりなことをやらないと改正は難しいそうです。
しかし、新幹線の開業による経済効果は、北陸新幹線の金沢延伸の例を出すまでもなく明確なので、すみやかに変更して欲しいですよね?ストロー効果 とか問題もありますが。
もちろん、
「整備新幹線かそうではない新幹線か」ということだけが新幹線の最高速度の違いではありません。上記の2点が大前提としてあり
・カーブが多い東海道新幹線は現在の最高速度285km/hがほぼ限界ではないか。と言われています。あとは加速・減速・コーナリング性能を上げるしかない? F-1じゃないんだが、、それでもあと数分の短縮程度でしょう。もうその先はリニア新幹線ですね。
・MAXに合わせなければならない上越新幹線は、MAX以外の車両も最高速度は240km/hです。遅い車両と速い車両が混在すると運行上安全性に問題あるので。
・ちなみに市街地を走る、東北・上越・北陸新幹線の東京-大宮間は最高速度110km/h、上越・北陸新幹線の大宮-高崎間の最高速度は240km/hに統一されています。
当然、最高速度は車両性能も大いに関係あるでしょうが、最新のE7・W7系も最高速のE5・H5系とモーター、ブレーキなど同等の性能だそうです(当たり前と言えば当たり前)。
う~ん、何かもったいないですよね?
スポンサーリンク
この記事へのコメント