先日の三沢基地航空祭にて今なにかと話題のB-1Bの実機を見てきたので、ここでB-1について少しまとめてみたいと思います。
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B-52 の後継機として1950年代後半から XB-70ヴァルキリー という高々度をマッハ3で飛ぶという戦略爆撃機が計画されましたが、膨大な開発費、試験飛行中の重大な事故、地対空ミサイル&迎撃機( MIG-25 など)の発達、ICBM・SLBMの発達による核戦略の見直し、等によりXB-70の開発は中止となりました。
これの代替策として、XB-70とは逆の発想であるレーダーに映り難い超低空を、音速に近いスピードで電子妨害をかけながら爆撃する・・という亜音速低高度爆撃機研究が1960年代から始まり、その結果として生まれたのが B-1A(1974年初飛行)です。ところがカーター大統領によってB-1Aの量産化は中止となり、研究だけが続くこととなりました。1980年代に入ってレーガン大統領によってB-1計画が復活し、新たに生まれ変わったのが B-1B(1984年初飛行)となります。
戦略爆撃機とは敵領土・占領地後方の戦略目標(生産工場、発電所、軍事基地、司令部など)を破壊するための爆撃機で、航続力・爆弾搭載量・高々度高速飛行能力・低高度侵入能力等が求められます。B-1Bは大型機ですが戦闘機並の機動性を持っており、滞空時間が長いので近接航空支援機( F-111の後継)としても使われます。
【ロックウェル(現ボーイング)B-1B】(wikipedia より抜粋)
⚽ 乗員:4名
⚽ 全長:44.81m
⚽ 全幅:41.67m(可変翼最大展開時)/23.84m(最後退時)※後退角 15°-67.5°
⚽ 全高:10.36m
⚽ エンジン:GE F101-GE-102 ターボファン 4基(推力14,060kg)×4
⚽ 爆弾搭載量:34.02t(機内)/26.76t(機外)
⚽ 最高速度:M1.25
⚽ 航続距離:11,978km
愛称はランサーですが、米軍内では B-1 ⇒ B-ONE ⇒ ボーン と呼ばれているそうです。
最近の新聞記事では「“死の白鳥”と呼ばれている」とか書いていますが、私の知識ではそんな呼ばれ方はされていなかったと思います。大体、B-1Bが白かったことは殆どありません。迷彩か黒一色です。B-1AとB-1Bの初期型が白かっただけです。
エンジン吸気口を可変式から固定式とし(その結果最高速度は Aがマッハ2.2⇒Bはマッハ1.25に低下する)ステルス素材を多く採用したことによって、本格的ステルス機ではないが、レーダー反射断面積はB-52の1/100、B-1Aと比べても1/10になっているそうです。
上記、回転式ランチャーへの巡航ミサイル装着作業動画
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